ルシタニア、1907年ニューヨーク着 ポストカード

軍用補助巡洋艦として分類された客船RMSルシタニアは、1915年5月7日にドイツのUボートによって雷撃された。沈没までの所要時間はわずか18分間で、アイルランドのオールドヘッド・オブ・キンセール沖8海里で1,195人が死亡した。この事件は多くの国でドイツに対する世論を一変させたが、アメリカ人乗客が乗船していたにもかかわらず、米国を第一次世界大戦に参戦させる直接的な要因とはならなかった。ルシタニアの沈没は、客船としてはタイタニック号に次ぐ2番目に有名な悲劇として知られる。ルシタニアの沈没をめぐっては、現在も議論が続いている。沈没後、ドイツ政府は公式声明で、ルシタニアが武装していたこと、および貨物に大量の戦争物資を積んでいたことを主張し、正当化しようとした。また、ルシタニアが補助巡洋艦として分類されていたため、乗客の有無に関係なくドイツには撃沈する権利があったとし、ドイツ大使館がルシタニアの出航前に発した警告および2月18日の「戦争地帯」宣言が、乗船していたアメリカ人市民の死亡に対するドイツの責任を軽減すると主張した。ルシタニアは、戦争への迅速な対応を可能にするために、政府の融資条件の一部として、機関銃の搭載が義務付けられていたが、銃自体は搭載されなかった。しかし、それでも公式には軍用補助巡洋艦としてリストされていた。ルシタニアの積荷には、4,200,000発のライフル弾、1,250個の空の砲弾、18個の非爆発性ヒューズがあり、これらはすべて貨物明細書に記載されていたが、カーナード・ラインはこれらの弾薬を公式には軍需品として分類していなかった。ルシタニアが未申告の爆発物を積んでおり、雷撃で誘爆して沈没に拍車をかけたのではないかという説が長年主張されてきたが、これは証明されていない。